オールドレンズ散歩
ソ連製レンズ「KMZ Mir-1 37mm F2.8」。
東ドイツCarl Zeiss Jenaの銘玉「Flektogon 35mm F2.0」のコピーレンズとして有名で、1954年に設計され、1958年にベルギーのブリュッセル万博でグランプリを受賞しています。
焦点距離が37mmと準広角なのでお散歩写真にぴったり。
一方、最短撮影距離は70cmとあまり寄れないのが残念なところです。
本日はそんな「Mir-1」をNikonのZ6につけて近所を散歩してきました。
彼岸花。夏も終わり、もう秋なんだなと実感します。開放で撮っていますが、すっきりとシャープな写りです。日の丸構図と周辺減光でスポットライトが当たるかのよう。暗い背景に鮮やかな赤が映えます。
この日は曇りでしたが西日が差してきました。木々の間から太陽光が差し込んできたので、シャッターを切るとゴーストが。青いクラゲのようで神秘的です。
こちらも秋の代名詞、コスモス。寄って撮ろうとしましたが、なかなかピントが合いません。
短距離撮影は苦手なようでこれ以上寄ることができません。手前の花びらにピントを合わせたつもりでしたが、若干ぼやけてしまいました。
明るいところで撮ると全体的にほわっとして、オールドレンズらしい写りになります。
木々も色づき始め、落ち葉もちらほらと。一部ぐるぐるボケも。
再び暗いところで。くっきりとした描写です。湿った落ち葉に秋の寂寥感を感じます。
短い散歩だったので撮った写真は少なかったものの、素敵な写真が撮れました。
暗い写真が多くなってしまいましたが、よく晴れた日はどのような写りになるのか気になります。
サンポスキー
湯島天神〜神田明神〜湯島聖堂〜ニコライ堂 御茶ノ水散歩
湯島から秋葉原まで、点在する神社や聖堂を巡りながら歩いてきました。
この日訪れたのは湯島天満宮、神田明神、湯島聖堂、ニコライ堂、万世橋。
訪れた場所は多いものの、それぞれのスポットが比較的狭い範囲に集まっているため、気軽に歩ける距離でした。
写真はソ連製のレンズ「Mir-1 37mm F2.8(Мир-1)」で撮ってみました。ロシア語では「ミール」と発音し、「世界」や「平和」を意味します。宇宙ステーションと同じ名前ですね。37mmなので街で撮りやすい焦点距離ですが、近距離撮影は苦手なようです。
湯島天満宮
東京メトロ千代田線の湯島駅3番出口から歩いて3分ほどのところに湯島天満宮があります。学問の神様「菅原道真」を祀る神社で、合格祈願や学問成就に訪れる人で賑わっています。
こちらは天満宮に通じる3つの坂のうち夫婦坂。
大学や高校の入学試験合格祈願はもちろん、公務員試験や英検などの資格試験まで、合格の願いが込められた絵馬がたくさんかけられていました。中には中学校や小学校の合格祈願もあり、小さい時からしっかりしているなと感心してしまいました(小学校はお父さんかお母さんが書いたと思いますが)。
この日は結婚式が行われていましたが、親族だけでしょうか、少人数で執り行われていました。
境内には菅原道真にちなみ「撫で牛」と言われる牛の像が2体あります。こちらは新しい方。撫でたところが良くなると言われていますが、頭が良くなりたいという願いが多いのか頭部が金色に光っていました。
※コロナウイルスによる感染症拡大防止のためお触り禁止になっていました
梅園。境内には約300本の梅の木があり、東京の梅の名所として有名です。
足元にも梅の花。
東風吹かばにほひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ
右大臣であった菅原道真が太宰府に流される前に京都で詠んだ歌。
歌の中の梅は、道真を慕って一夜で九州まで飛来したという「飛梅(とびうめ)伝説」が有名ですね。
鳥居にも梅。境内のいたるところで梅が見られます。
もう一つ梅にまつわるお話で、加賀藩前田家の家紋との関係について。
加賀の前田侯は大の菅公ファンで家系を菅原姓に結びつけ家紋を梅鉢とし特に加賀梅鉢と呼ばれています。 当神社の神紋も加賀梅鉢となっています。
湯島天神公式サイト(https://www.yushimatenjin.or.jp)より
以前金沢や目黒区にある旧前田侯爵邸も訪れましたが、このような繋がりがあったんですね。
神田明神
湯島天満宮から南に10分ほど歩くと国道17号線に当たります。向かうのは商売繁盛のご利益で有名な神田明神です。
江戸総鎮守として徳川幕府や江戸の庶民から崇敬を集め、現代でも多くの人が訪れます。5月中旬に行われる「神田祭」は、八坂神社の「祇園祭」や大阪天満宮の「天神祭」と並び日本三大祭としても有名ですね。
写真は撮りそびれてしまったのですが、境内には神田明神文化交流館「EDOCCO」というガラス張りの新しい建物がありました。2029年に創建1300年を迎えるに当たり、奉祝記念行事の一環として2018年にオープンしたようです。中に入るとおしゃれなショップやカフェがあり、多くの人で賑わっていました。
こちらは境内の横にいた神馬あかりちゃん。
湯島聖堂
神田明神を後にし湯島聖堂に向かいます。湯島聖堂は国道17号を渡るだけなので5分くらいで着きます。湯島聖堂は生類憐れみの令で有名な江戸幕府5代将軍、徳川綱吉によって建てられた孔子廟。後に幕府直轄の学問所、昌平坂学問所が開設されています。
神田明神は朱色で華やかな雰囲気でしたが、湯島聖堂は神田明神と対を成すかのごとく漆黒の建物に囲まれた静謐な空間が広がっていました。
湯島天満宮と同様、合格祈願や学業成就の祈願をする人に人気です。
聖橋
湯島聖堂から御茶ノ水駅方面に向かいます。神田川にかかる橋は両岸に位置する2つの聖堂(湯島聖堂とニコライ堂)を結ぶことから「聖橋」と公募で名付けられたそう。昔の人のネーミングセンスに脱帽です。またこの橋は神田川を渡る丸の内線やJR中央線、総武線を撮影することができるスポットとしても有名です。写真は2019年から運行を開始した2000系。
ニコライ堂
神田川を渡り東京メトロ新御茶ノ水駅を過ぎると大きなドームを冠した建物が見えてきます。
正式名称は「東京復活大聖堂」で、設計は「日本近代建築の父」と呼ばれたジョサイア・コンドル。旧岩崎邸庭園の洋館や撞球室の設計でも有名ですね。
以前は内部を見学することができましたが、この時はコロナの影響で見学できず。門の前から写真に収めてきました。今でこそ周りを高いビルに囲まれてしまっていますが、建築当時は威風堂々としたニコライ堂を遠くからも眺めることが出来たのかなと思います。
万世橋
御茶ノ水から線路沿いに歩いていくと万世橋手前に「マーチエキュート神田万世橋」があります。明治期の赤レンガ造りの旧万世橋駅をリノベーションした施設で、おしゃれなショップやカフェが入ります。ショップを眺めながら歩くのも楽しいです。
2階には線路と線路に挟まれたユニークなカフェ、「カフェ&和酒 N3331」があります。
神田川側に出てみます。
万世橋側には茨城県の木内酒造が展開する「常陸野ブルーイング・ラボ」がありました。ふくろうマークでおなじみの「常陸野ネストビール」を、神田川を眺めながら飲めるスポットです。外の席が満席だったので、また別の機会に来ることにします。
カリーライス専門店 エチオピア
時刻はすでに15時すぎ。そろそろお昼をと彷徨い歩いた結果、御茶ノ水まで戻ってきてしまいました。無性にスパイシーなものが食べたくなり、御茶ノ水ソラシティにあるカリーライス専門店エチオピアに入りました。カレーの激戦区、神保町に本店をおく老舗です。
今回オーダーしたのはチキン豆カレー。辛さが0倍から70倍まで選べますが(チキン豆カレーは3倍から)、普通に3倍をチョイス。70倍ってどんな辛さなんだろうと妻と話をしていたら、隣の若い男性客が70倍を注文していました。
湯島から秋葉原まで距離はさほどですが、史跡を巡りながらの散歩だったので充実感がありました。唯一、ニコライ堂を見学できなかったのが残念でしたが、コロナが落ち着いたらまた訪問してみたいと思います。
サンポスキー
都立小山田緑地
暑い日が続きましたが、9月に入り空気が少しずつ変わってきているように思えます。
久しぶりに散歩に出かけようと、都立小山田緑地まで足を伸ばしてみました。
カメラにはソ連製のレンズ「KMZ Jupiter-8 50mm F2.0(КМЗ Юпитер-8)」をつけてみました。小さくて軽いレンズですが、ボケは柔らかくピント面の解像度は高く鮮やかでした。
駅前に美味しそうなケーキ屋さんがありました。外から中をのぞいて見ると奥にテーブルや椅子が見えます。カフェも併設しているようです。お散歩の後に立ち寄りたいですね。
車庫を左手に先に進むと道幅の広い道路に出ます。南多摩尾根幹線です。
尾根幹線との交差点を渡り先に進むと車庫を上から見渡せる場所になっており、
2020年に導入された新型5000系車両も奥の方に留置されていました。
オールドレンズで撮ると電車がおもちゃのように見えます。
車庫を左手にさらに先に進むと三叉路に突き当たります。ここが多摩市と町田市の境で、小山田緑地へと続く緑道の入り口です。
ここに来るまで知りませんでしたが、京王相模原線の若葉台駅から長池公園まで、多摩丘陵の尾根道が「多摩よこやまの道」として整備されているようです。その距離およそ10km。適度な距離で緑も多そうなので、後日こちらのコースを辿ろうと思います。もちろん散歩後の一服は先ほどのケーキ屋さん、アングランメルシー(un Grand Merci)で。
小山田緑地へはしばらくこの「よこやまの道」を歩きます。
思ったより木々が生い茂っており、日陰はひんやりとして気持ちいくらいです。
緑のトンネル。虫除けスプレー持って来ればよかったと後悔…。
しばらくすると小山田緑地の入り口に。途中山中分園と本園の分岐がありますので、本園方面に進みます。
開けたところはゴルフコース。暑そうですね。
奥に見えるのは多摩センターのシンボル、ベネッセの本社ビル。
本園へは東京国際ゴルフ倶楽部の中を抜けていきます。飛球注意の看板もありました。どうやって注意したら良いのか…。
こちらはゴルフカート・プレイヤーの横断ありの注意看板。
本園とトンボ池の分岐。トンボ池方面に。
しばらく進むと左手に東屋が見えてきます。
東屋の先にある階段を降りて、木道の上を進みます。
葛の甘い香りが漂ってきました。足元には花びらが。
こちらはトンボ池。水は茶色く濁っていましたが、その名のとおり多くのトンボがいました。
秋の味覚、栗。
きのこ。こちらは食べられなさそうです。
大久保分園を通り本園方面に向かう道に戻ります。途中見晴らしの良いところに出ました。
ゴルフ場を横切り坂を降りていくと、アサザ池とサービスセンターへの分岐点に出ます。アサザ池方面に向かいます。
道の右手には田んぼが広がっており、稲穂が金色に輝いていました。
水路には水車が。
アサザ池にやってきました。気をつけていないと通り過ぎてしまいそうな小さな池でした。
トンボがとまっていました。
アサザ池を後にし本園に向かいます。
ゴルフ場からだいぶ離れているのにゴルフボール。
コムラサキ。紫色の実が梅ミンツに見えます。
本園と吊橋へ分岐点を吊橋方面に。小山田緑地の見所である立派な吊橋が見えてきました。
この吊橋、うさぎ谷に架かる吊橋ですが、周りを木々に囲まれているため眺望が良い訳ではありません。でも不思議なことに吊橋って、普通の橋にはない何かワクワクするものがありますよね。橋の上からは普段見ることのない木の上部を間近で観察することができました。
吊橋を渡り本園方面に進むと公道に出ます。案内どおりに進むとサービスセンターがあり、ここからが本園になります。眺望の良いみはらし広場を目指します。
途中、職員さんたちが草を刈っていました。刈った後の模様が美しい。
坂を登り南に開けた場所に出ました。みはらし広場です。ここは国土交通省の関東富士見100景に選ばれており、天気の良い日には富士山や丹沢の山々を望むことが出来ます。しかしこの日はあいにくの曇り空。うっすらと丹沢の山並みが見えただけでした。
ベンチやテーブルがあるのでもう少し涼しくなったら、ここでお弁当とか食べたいですね。
本園の東側には小山田の谷と呼ばれる谷戸があります。みはらし広場からは小野球場をぐるっとまわり、尾根を越えたところです。
ところどころ木々の間から光が差し込み、神秘的な風景を作り出しています。
木道が整備されていて池の脇を散策することが出来ます。
木道の終わりが小山田緑地の東端です。
小山田は緑地に限らず、町全体に自然が残されています。ここから更に西に行けば鶴見川の源流がありますが、そこはまた別の機会に訪れてみたいと思います。
神奈中の扇橋バス停。ここから町田駅までバスで行くことが出来ます。反対側には京王バスのバス停が。唐木田駅や多摩センター駅に戻ることが出来ます。いずれも一時間に一本くらいしか便がないので時間には気をつけてください。
都立小山田緑地
〒194-0202町田市下小山田町361-10
TEL: 042-797-8968(小山田緑地サービスセンター)
入園料:無料
JR横浜タワーの屋上庭園「うみそらデッキ」
横浜駅西口に新しく開業した「JR横浜タワー」に行ってきました。
長い間工事を繰り返し「日本のサグラダファミリア」と揶揄されてきた横浜駅ですが、JR横浜タワーの完成で一段落を迎えた感があります(横浜駅自体の工事はまだまだ続くようですが…)。
駅ビルには「NEWoMan横浜」や「CIAL横浜」、「T・ジョイ横浜」などの商業施設が入居し、新たな買い物スポットとして賑わいそうです。
そんなJR横浜タワーの12階に屋上庭園「うみそらデッキ」があります。
お買い物がてら立ち寄ってみました。
昼間の屋上庭園「うみそらデッキ」
真夏の真昼間、さすがに暑くて人は少なかったです。
YOKOHAMAの文字が新たな映えスポットになりそうです。
東口方面を望む。そごうやベイクオーターの先に青い海と横浜ベイブリッジが見えました!
入道雲がもくもくときれいですね。
JR線と京急の線路。線路の向こうは川崎・東京方面です。
屋上庭園から見上げたオフィスビル。真新しいガラスが青空と白い雲を映してきれいです。
西口側に回ってみます。東京方面の景色。遠くに東京タワーや東京スカイツリーが見えます。
大きなかなとこ雲が見えました。この後、雲は更に大きく成長したようでTwitterのトレンド入りしていました。
高島屋やビブレ方面。
庭園に咲いていた小さなお花。ぐるぐるボケています。
夕方の屋上庭園「うみそらデッキ」
真夏の日差しが照りつけ、さすがに暑かったので一度屋内に退散。NEWoManをぶらぶらして、夕方にまた来てみました。空気は暑いものの昼間より落ち着いていました。
そういえば無印の店内BGMが変わっていました。サティにこんな曲あったかなと調べたら坂本龍一作曲とのこと。ゆったりとしたリズムで癒されます。曲名は?ムジノペディ?
夕暮れの空がきれい。屋上ではビアガーデンでしょうか、暑い夏に冷えたビール!羨ましいですな。
こちらの屋上にはビアガーデンはありませんが、うみそらデッキと同じ階の屋内に「gooz(グーツ)」というコンビニがあります(神奈川県に本社を置く株式会社スリーエフが運営です)。お菓子や文房具など普通のコンビニのような品揃えに加え、購入してすぐに食べられるフレッシュフードに力を入れているようです。コーヒーやお惣菜はもちろん、ソフトクリームやクラフトビールまで!goozで購入してうみそらデッキで一杯というのも良さそう。
おしゃれな水道もあり、手が汚れても大丈夫そうですね。
と素敵な庭園ですが、強風など荒天の時は閉鎖されるようです。
天気の良い日を選んで行くと良いかと思います。
サンポスキー
碑文谷教会から目黒教会まで歩く
前回残念ながら入構できなかったカトリック碑文谷教会(サレジオ教会)を再訪してきました。
↓その時の記事はこちら
カトリック碑文谷教会(サレジオ教会)
東急東横線都立大学駅から歩くこと約15分、碑文谷教会につきました。
道路に面している正面入口の扉は開きません。
入口は正面右手から敷地内に入った奥にあります。
↓こちらが出入口
中に入るとびっくり、ここは日本かと思う異空間。緻密で色鮮やかな天井画に包まれます。
教会後方のパイプオルガン。
真夏の平日の昼間だからか、教会内には誰もおらず贅沢な空間を独り占めしてしまいました。
鮮やかな天井画。
壁には日本画のような壁画が描かれています。
こちらはイエス・キリスト誕生のシーンでしょうか。
隣にある小さな礼拝室はシンプルな空間です。
祭壇。左にピエタのレプリカが見えます。
サレジオ会創設者の聖ヨハネ・ボスコ。イタリア統一戦争や産業革命で青年が貧しい状況に置かれていることを目の当たりにし、サレジオ会を創設したとのこと。
祭壇の下には最後の晩餐のモザイク画。
祭壇のアーチ部。聖堂を掲げる天使が描かれています。
物語性のあるステンドグラスも見どころの一つです。
江戸のサンタマリア。こちらはレプリカで本物は重要文化財として国立博物館収蔵されているようです。入り口正面にありますが、小さいので見逃してしまいそうです。
聖アレクサンドル・ネフスキー聖堂
碑文谷から目黒駅まで歩きます。途中住宅地の中にロシア正教会がありました。
ロシア正教会モスクワ総主庁駐日ポドヴォリエと記載がありました。調べてみるとこちらはロシア正教会の駐日出張所的な位置付けで、ロシア正教会の組織の一部のようです。
一方、ロシア正教会というと御茶ノ水のニコライ堂を思い出しますが、こちらは正確には日本ハリストス正教会の聖堂とのこと。日本に正教の教えをもたらしたロシア人修道司祭聖ニコライの名を冠した聖堂ですが、組織的にはロシア正教と別組織のようです。
ネヴァ川の戦いやチュド湖の戦いで有名な聖アレクサンドル・ネフスキーのイコンが掲げられていました。
聖アレクサンドル・ネフスキー聖堂を後にし、目黒駅に向かいます。途中おしゃれな家具屋さんがたくさんあり、立ち寄りながら目黒駅を目指すのも楽しいです。
緑が美しい目黒川。上流の中目黒の桜が有名ですね。
聖アンセルモ目黒教会
目黒川を渡るとすぐに目黒駅です。今日はもう一軒立ち寄りたい教会があり、ここまで足を伸ばしてみました。聖アンセルモ目黒教会です。「日本現代建築の父」と呼ばれたアントニン・レーモンド作の歴史的建造物です。
中に入るとコンクリート打ちっ放しの荘厳な空間が広がります。
祭壇には大きな十字架が掲げられいます。金色の物体は炎を象徴しているようです。
無機質なコンクリートの隙間から柔らかい光が差し込み、神々しい雰囲気を醸し出しています。
中でも感動的だったのが壁沿いにある十字架の道行き。イエス・キリストの受難から復活までを表したもので、様々な教会で目にすることができます。この教会では各留が象徴的に表現されており、教会の雰囲気と良く調和しています。それもそのはず、レーモンド夫人の作品とのこと。
第13留。十字架に架けられたイエスを下ろす場面。十字架と衣服、手だけでこれを表現している。
教会後方の洗礼台。
真夏の暑い日でしたが、教会を訪れる人は誰もなく教会の神秘的な雰囲気を心置きなく堪能できました。都会の真ん中にもこんな美しい場所があるなんて、新たな発見でした。
↓東京や東京周辺の教会を美しい写真とともに紹介する書籍。碑文谷教会と目黒教会が載っています。次はどこの教会に行こうか、自宅でぱらぱらとめくるのがオススメです。
サンポスキー
東京カテドラル関口教会〜肥後細川庭園
丹下健三氏が設計した教会として有名な東京カテドラル関口教会。
テレビやネットで目にする度に素敵だな、行ってみたいなと思っていましたが、今回ようやく訪問することができました。
丹下健三氏は東京都庁や代々木競技場、広島の平和記念公園等の設計で有名で、前田國男氏の弟子にあたる建築家です。
1964年に竣工したとは思えない斬新なデザインにはただ驚くばかり、
教会内部に広がる神秘的な空間も癒しの空間でした。
↓前田國男氏の邸宅は江戸東京たてもの園で
アクセス
江戸川公園
東京メトロ有楽町線の江戸川橋。駅を出ると神田川が流れていました。
そんな疑問に江戸川公園の案内板が答えてくれました。
「かつて江戸川と呼ばれていた神田川は〜。」
この辺りは昔、江戸川と呼ばれていたようです。
これだけだとよくわからないので調べたところ、神田川はかつて上流を神田上水、中流付近を江戸川、下流を神田川と流域によって名称が異なっていましたが、後に神田川という名称に統一されたようです。その時の名残がこの付近の地名に残っているんですね。
江戸川公園の入り口にあった大井玄洞の胸像。加賀藩出身の薬学者。
神田川の治水に尽力した功績を称え、1928年にこの銅像が建てられたようです。
江戸川公園は神田川沿いに広がる細長い公園で、散歩やランニングをしている人とすれ違います。木々が木陰を作ってくれて歩きやすいです。蝉もたくさん鳴いていました。
木には蝉の抜け殻が。この子はまだ下の方でしたが、上を見上げると高いところにもたくさん抜け殻が付いていました。下の方で羽化すれば余計な体力を使わなさそうですが、どのようにして羽化する場所を決めているのか不思議ですね。
江戸川公園の西端に着きました。ここから階段を登っていきます。
階段を登り目白坂を登っていくと、椿山荘がありました。結婚式場として有名ですね。
目的地の東京カテドラル関口教会は椿山荘から目白通りを隔てて向かい側です。
東京カテドラル関口教会
目白通りから見ると現代的な総ステンレス張りの教会が、壁のようにそびえ立っています。
東京カテドラル関口教会に着きました。
正門から入り、建物に沿って左側に行ったところが教会の正面になります。正面入り口は閉まっていますが、右側の出入口から中に入ることができます。抜けるような青空にステンレスの銀が映えますね。ドアの取っ手が十字架の形をしていて素敵です。
戦前は木造の教会で信徒席には畳が敷かれていたそうです。
東京大空襲で焼失し、後にドイツのケルン教区の支援によって再建されたとのこと。
現在の現代的な教会の姿からは想像が難しいですね。
教会は左右に手を広げたような形になっており、上空から見ると十字架の形をしているそうです。
内部は当時のコンクリート技術を駆使したつくりとなっており、神秘的な空間が広がっていました。残念ながら教会の内部は撮影禁止。
特にキリスト教徒という訳ではありませんが、教会の内部は静かで落ち着いており神聖な気持ちになれます。しばし瞑想…。
教会内部にはミケランジェロのピエタの複製やキリシタン大名高山右近の像もありました。
また日本最大級のパイプオルガンも必見です。
いつかこのオルガンの音色を聴いてみたいですね。
こちらは教会の前にある鐘楼。4つの鐘はドイツからの輸入物。
教会の反対側にあるルルドの洞窟。1911年にフランス人宣教師ドマンジェル神父が実物と同じ大きさで再現したそうです。
洞窟内の祭壇。柵があり入洞はできません。
ルルドの洞窟からやや正門に戻ったところにある「受けとめるヨゼフ」像。
肥後細川庭園
東京カテドラル関口教会の後は、神田川沿いにある肥後細川庭園に向かいました。
肥後細川庭園一帯は、元は旧熊本藩主細川家の下屋敷があり、明治期には侯爵に列せられた細川家の本邸となりました。後に東京都が土地を購入し、公園として整備・開園しています。1975年には文京区に移管され、2017年に「新江戸川公園」から現在の名称に改称されたとのこと。
教会からは徒歩10分弱なので目と鼻の先です。
敷地内には無料で入ることができ、池の周りを散策したり自然を満喫することができます。
背後の目白台には木々が生い茂り、湿った森の空気を感じることができて気持ちいいです。
当日は多くの方が園内を散策していました。
庭園の隣には「松聲閣(しょうせいかく)」と呼ばれるお屋敷がありました。目白台にあった細川家の学問所を忠実に再現したそうです。新しく見えたので調べてみると2016年に修復工事を終えリニューアルオープンしたようです。
教会に日本庭園、都内にいながら洋と和を堪能することができました。
土曜日なのに教会を訪れる人が少なかったのは意外でした。暑いからでしょうか?
近くには鳩山会館や護国寺などもあり、そちらと組み合わせて訪れるのも良さそうです。
今度はパイプオルガンを聞きに再訪してみたいです。
サンポスキー
九品仏浄真寺ぶらり旅
・人混みは避ける
・マスクにサングラス、帽子に日傘、そして腕カバーもしくはカーディガン(激アツ)
・なるべく歩いて移動
・水分補給はこまめに
以上を気を付けながら、今回は九品仏浄真寺に行ってきました。
東急大井町線にある九品仏(くほんぶつ)駅からすぐです。しかし、今回は自由が丘駅からテクテクと住宅街を抜けて行きました。
そういう名前のお寺がこの駅にある、程度には知っていましたが、敷地に足を踏み入れた途端、こんなに立派なお寺だったとは!!と驚きでした。
大きな松の並木道を歩いていきます。
入ったらすぐに閻魔様がいらっしゃいました。お堂もぴかぴか、檜の香りがむんむん。
閻魔様のお堂を過ぎて、仁王門へ。このもったりした感じのフォント、結構好きです。
大きな鐘、音を聴いてみたいです。柱に凝った飾りが施されていて、干支が彫られているようでした。帰宅して写真を見返していて気付いたので、もっとしっかり見てくればよかった、、と思いました。
本堂・龍護殿の脇に、立派な銀杏の木がありました。
奥に見える支柱に支えられた枝には、まだ緑のギンナンがたくさん生っていて、その生命力の強さは見事でした。
想像していなかったスケールのでかさに圧倒されながら本堂へ上っていくと、
お堂自体、お釈迦様、お堂の空気、総てに圧倒されつつも、なんとも言えない心穏やかな時間に包まれる、そんなお堂でした。
お線香もあげさせてもらい、お釈迦様を見上げていると、いつまでもここに座っていられるような気がしてくる不思議な空間。外の空気が心地よく抜けていきます。
お堂から見えるお庭。
お釈迦様を脇から見上げます。
九品仏浄真寺は、浄土宗のお寺です。実は、今は亡き祖父母の菩提寺が浄土宗のお寺だったので、とても親しみを感じます。開祖である法然上人についての本も読んだことがあったので、ご挨拶してきました。ご本尊の左にいらっしゃいました。
法然上人の脇には、長い長い修行の間に螺髪が延びてしまった五劫思惟阿弥陀仏様。
ご本尊の後ろも入っていけたので、行ってみるとそこには。。
このお方、存じ上げなかったのですが、九品仏のゆるキャラ、きゅっぽんだそうです。
まんまるで結構大きいです。しゃべるときは、最後に「ぽん」がつくようです。
仏教の懐の深さを感じます。きゅっぽん、和みますね。
せっかくなので右隣に座ってツーショットも撮ってきました。
本堂をじっくりと満喫して外に出ると、本堂と対峙する下品堂・上品堂・中品堂がこれまた立派に構えています。
お釈迦様のいる本堂はこの世で、三つの下品・上品・中品堂はあの世(お浄土)だそうです。お浄土のお堂には、それぞれ三体の阿弥陀様がいて、これまた圧巻でした。
3体×3堂で、九品仏ということなんですね。
黄金の御身体に真っ青な螺髪が大変鮮やかな阿弥陀様。きゅっぽんもしっかり倣っていますね。
京都や鎌倉などを除き、一度にこんなたくさんの像を拝めるお寺は身近にはなかなかないのではないのでしょうか?
九品仏についての知識を全く持っていなかったため、驚きでいっぱいの訪問となりました。境内でゆっくりされている方もちらほらいて、なんとも素敵な開かれたお寺だなと思いました。
またぜひ秋にでも来たいねといいながら後にします。
本当はこの後、とある教会にも行ってみようと、てくてくひたすら歩いて行ったのですが、この日はあいにく入ることができず。。
後日出直しということに。
最終的に学芸大駅まで歩き、お腹はぺこぺこ、、でも何が食べたいかもわからない、、という状況で、気になるジェラートの看板を発見!
矢印に従って行くと、PREFERITAというかわいいジェラート屋さんがありました。
向かいにあるイタリアンのお店の姉妹店のようです。
素材にもこだわっているようで、どの味もおいしそう!迷ったのですが、チョコミントとピスタチオをチョイス♡ 夫はチョコミントが好きなのですが、このチョコミントは、なんちゃってフレーバーではなくて、濃厚なチョコアイスの中にミントの葉がしっかり練りこまれていて、美味。。。ピスタチオももちろんおいしかったです。
ノンホモミルクのジェラートも気になりました。今度来たらこれだな。
新しい発見の多い散歩となりました。
サンポスカヤ